未来戦争2045

どうしようもないこと
「ハナミズキ」by 一青窈

薄紅色の可愛い君のね

果てない夢がちゃんと

終わりますように

君と好きな人が

百年続きますように

一青窈「ハナミズキ」



これは、私の小学校時代の話
学芸会での劇のはなし


はじめに

この時期になると、思い出すのです。



私の通っていた小学校では学芸会がありました。

奇数の学年では、劇を。

偶数の学年では、合奏を。

そんな慣習がありました。

ここでも言ってますね。

私が小学五年生のとき。

とても、今でも、記憶に残っている劇があるんです。

それが本タイトル。

未来戦争2045

という劇でした。

その劇の、あらすじを本日は綴ろうと思います。



余談ですが、当時のこういった劇は、すべて学校の先生が考えていました…

(実はこれも伏線です。最後まで読んでくれると嬉しいです。)

後ほど、書きますが、ある作品のオマージュではあるものの、台本やセリフ、展開を考えるのは、今考えると、大変素晴らしいことです…

それでは、物語のあらすじをどうぞ。



あっちなみに。

アイキャッチ画像には、完全に特定できないように、個人にはモザイク処理をかけさせていただきましたが。

中心の、赤ラインが入ったマントをつけている少年がいるでしょう。

あれ?

彼だけ、モザイク、薄くない?

これ。



です。

ハイ。

どうぞ。

未来戦争2045

はじまり

始まりは2000年代。

つまり、当時の時代です。(私たちが小学生であった時代)

主人公、Tとでもしましょうか。

Tが演じていたから。アレ?Tは司会役だったっけ?まぁいいや。


Tは、みらいのせかいが気になったのです。

わたしたちがすむ日本は、むかし、せんそうをしていた。

あらそい、がたえなかった。

みらいは、どうなんだろう。と。

すると!

突然!

世紀の天才未来予言者
ノストラ・ナマーズ


が現れます。

ノストラ・ナマーズは、2045年の未来を教えてくれる、と言い放ち、Tを2045年の未来へ連れて行ってくれます。

そうして、Tは未来旅行へ行きます。

2045年の世界

Tが辿り着いた、2045年。

世界の恐慌により、どこの国も貧困に陥っている有様。

傍観者としてのT。

想像と一切異なる世界。みらいのせかい。




おくにの、おえらいひとは、今にあらそいをはじめようか、というせかい。

そんなせかいに、Tはおどろきがとまりません。

あらそいは、なくならないのだろうか。



Tは、そんな世界に驚き、恐怖の想いを抱く。

Tがいた世界では、少し前では日本で万博が開かれ、世界の国同士、仲が良かったのに。

おえらいひとたちは、少しでも自分の富を得ようと、他の国を落として、自分だけ良い味を占めようとする。

緊張が走っていく。

次第に、世界の国々は、銃を持つ。

大切な人を守るため。

家族を守るため。

パートナーを守るため。

未来の、子どもを守るため。

自分自身を、守るため。



火蓋を切ったように、第三次世界大戦が始まる。

あらそい

いつの時代も、あらそいは止まない。

おえらいひとが、命令を出して、市民はたたかいにいく。

ひとが、しぬ。

ひとが、くるしむ。

日本も、例外ではない。

戦火に巻き込まれる世界。

それを眺めるT。

Tは傍観者に過ぎないのだから。

空襲や爆撃を見つめながら、TはMという、同じ世代の子どもを見つける。

TとMは、瓜二つ。

未来の世界に生きるM。

Mの両親は、既に戦火により、亡くなった。

過去から来たT。

Tは傍観者。

Tは、過去は、幸せだったよ、と。争いなんてなかったよ、と。

伝わらない思いを抱きながら、Mの行末の見つめる。

家族と友人と大切な人を失った、Cは、過去の人々を羨ましがる。

Tは、この世界では傍観者にすぎない。

見送ることしかできない。

未来に起こりうる、事実を見つめることしかできない。

Mは、あらそいから逃げる。

逃げる。

子どもだから。

逃げることしか、できないから。

たたかうことも、

あらそいに加わることもできない。

にげる。

にげる。

必死に。

決死に。

にげる。

にげた果て。

青空とかげおくり

もう、どうにも行き場を無くしたM。

行き場も、逃げ場も、助かる場所もない。

救いも何もない。

皮肉なことに、空は満天の青い空。

あぁ、憎い。

Mはひとり。

最後の“遊び”をする。



かげおくり。

自分がひとり、映った影を。

地面を眺める。

じっと眺める。

目に、焼き付ける。

そして。

いっせーので、青空を見る。

そこには。

影が映っていた。

かげおくり。

それは。

ひとりではない。

失ってしまった家族や友人。

楽しかった思い出、もう戻れない想い出、すべてが、遠く、高く、続く青空に映っていた。



























その瞬間。



原子爆弾が投下された。

おわり

元のいた現実に戻ったT。

世紀の天才未来予言者 ノストラ・ナマーズにより、未来の世界、2045年を体験したT。

Tは、このままではいけない。

Mのように、私たちと同世代の子どもたちが戦火に巻き込まれることを危惧した。

今できること、私たちには少ないけれど。

争い、という名の芽を摘まなきゃ行けない。

そのために、あなたたちは、何をしますか。

と問いかける。


劇を見ている保護者未来を支えるおとな



へ向けて。

そうして、劇は終わる。

ハナミズキ

この、劇の最後に。

皆で手を繋いで、ハナミズキを歌いました。

とても、記憶に残っています。

この劇を通して知った曲。

劇と相まって、歌詞のひとつである、次のフレーズがとても、心に残っています。

待たなくてもいいよ

知らなくてもいいよ

薄紅色の可愛い君のね

果てない夢がちゃんと

終わりますように

君と好きな人が

百年続きますように

一青窈「ハナミズキ」


以下、私の解釈です。

大切な人へ。

知らなくてもいいです。待たなくてもいいんです。

あなたの苦しく、辛い時間、その悪夢がいつか醒めますように。

100年先も、幸せが続いていますように。



もう二度と会うこともないけれど。

幸せに暮らしていたら、それで充分です。

夏に生きるこの時期、思い出します。

知らなくても、良いです。

考察

本作品、“未来戦争2045”

これは、ご存知でしょうか、ある作品のオマージュであります。

終盤で、少し想像がついた方もいるかと思います。

ちいちゃんのかげおくり
あまんきみこ作
https://www.ehonnavi.net/sp/sp_ehon00.asp?no=1601
ちいちゃんのかげおくり | あまん きみこ,上野 紀子 | 絵本ナビ:レビュー・通販
第2次世界大戦の悲惨さを描く物語。ちいちゃん一家の戦争が、やさしく悲しく描かれます。体の弱いお父さんを戦争に送り、家族3人の暮らしが始まったある夏のこと、ちいちゃん一家は空襲に出会います。空襲で焼け...

この作品でも同様に、というよりも、元はこちらか。

主人公“ちいちゃん”も戦火に巻き込まれ、戦死した父親から教わった“かげおくり”で遊ぶ。

そして、最後には、亡くなってしまう。



美談として、描かれていますが、私も知らない約80年前は、こういった子どもたち。

子どもだけでない。大人も、数えきれないほどいたでしょう。

物語にさえならずに、生を終えた人も。

誰にも知られることもなく、息を引き取った人も。

動物も。植物も。

心から想っていた人も。





私のエゴでしかありませんが。

偽善でしかありませんが。

心が痛んでやまない。

哀悼の意を表すとともに。

争い、という醜い行為に、いつか、終わりが来ることを願って。

おわりに

おわりに。

こちらの作品を考えたのは、実は、以前記事にしたときの先生である、S先生。

実は本ブログで、最も伸びている記事です。


こちらの先生です。

私も、私の兄もお世話になった先生です。

この先生も、とても苦労をした先生です。

子どもからのいじめを経験したり、不妊により子どもを授かることに大変苦労したと。

それでも、風の噂で、今は幸せに暮らしていると。

皮肉にも、私が赴任していた校区にて、現在も教諭を務めているそう。


私自身、学校、というもの。これには懐疑的な思いを抱いています。

それでも、S先生には大変、お世話になり、“学校”の素敵さを学びました。

届くことはありませんが、この場を借りてお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

オマケ

ちなみに、物語の最初に登場した、


世紀の天才未来予言者
ノストラ・ナマーズ







この役を務めたのは、私です。







はい、私が
ノストラ・ナマーズです









インチキ予言者みたいな役でした。

ノストラダムス
https://ja.wikipedia.org/wiki/ノストラダムスの大予言
ノストラダムスの大予言 - Wikipedia

最後に

いつか、80年ほど前にあった、厄災にて。

惨憺たる悲劇によって、平穏だった日常がいとも容易に壊され。

全てを失い、失うことさえ気づかずに星となってしまった方々へ。

私にはなにをすることもできません。

月並みの、ありふれた言葉でしか、表現できませんが。

その時代があったからこそ、今がある。

私は、一生懸命、足掻いて生きてみます。

遠かった2045年も近づいています。

私に出来ることは少ないですが。

それでも、平和な日が続くことを。

それだけを祈って。

100年先もきみがいつまでもずっと
すやすやと平和に眠っていられる世界を望む
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