半分のことでいいから
君を教えておくれ
些細な事で良いから
まずはそこから始めよう
フジファブリック「夜明けのBEAT」
なにも聞こえない
そんな世界は想像できない
きっかけ
以前。
ろう者の方と、お話しする機会がありました。
沈黙の世界
ろう者
音声言語を獲得する前に
失聴した人のこと。
手話を第一言語とする人が
ほとんどである。
https://saga-mimisapo.jp/main/30.html より
詳細は伏せますが。
ろう者の方と接する機会がありました。
アルバイトの際です。
アルバイトの内容は伏せたいのですが、
簡単にいえば、とある手続きのスタッフ、
と言ったところでしょうか。
これはまた別記事でも書きたいと思うため、割愛。
*
その際に、訪問された方です。
案内をしたところ。
“紙”を私に見せてくれました。
私は耳が聞こえません。
と、その紙には書かれていました。
少し、驚き。
ただ、手続きのためには、数枚の葉書や書類があれば済む。
手続き上には、なんら支障はないため。
なにも変わらず、笑顔でご案内いたしました。
*
しかし、案内後、手続きのために資料を確認していると。
幾つかのモノがないことに気づきます。
職員に確認をしたところ、どうにか計算を経れば
対応できるとのこと。
基本的には、本手続きでは、私の役目はスタッフ。
手続きを代理で行うことは、ない。
ただ、どうにも資料等が足りないことを、
筆談で伝えることには、困難であり。
代理で手続きを行うことにしました。
簡単なことでさえ。
伝えることはできない。
伝える手段がない。
いつか、言語も知らず海外に飛び込んだような
そんな気持ちを思い出す。
それ以上に。
相手が、受け取るツールがない。
筆談を通して、計算を行いながら手続きを進める。
相手方は、とても親切な人。
私の一アクションを見ながら、安心した様子を見せる。
ただ、残酷なことに、さらに足りない資料がある。
別途資料にまとめる必要がある。
その旨を伝える。
驚いて、帰る様子を見せる。
私は急いで、筆を持つ。
私が手伝います。
安堵した表情。
順調に、長い時間をかけ、手続きを終える。
手続き後、別途提出のために、資料を作成する。
上述のように、一般的には、私たちは補助スタッフ。
ひとりひとり、代理で手続きを行なっていると、
来場者を捌けない。
ただ、代理で行わざるを得ない。
というより、そんなこと、させられない。
1時間ほど掛け、一人の人と向き合い、手続きを済ます。
*
そして、終わりが見えてくる。
最後の資料に記入を終える。
口元のマスクを外し。
終わりです。
と伝える。
相手は、目を線にして、喜んだ笑顔を見せる。
声にもならない声で、
お礼と思われる言葉を掛けてくれた。
あの顔。
あの声。
それが、強く記憶に刻まれている。
まだ、心臓がバクバクしている。
沈黙の世界で生きる感覚。
それでも、
はち切れんばかりの笑顔を見せてくれた、その気持ち。
私には想像ができない。
夜明けのBEAT
私が、初めて人前で演奏した曲が、夜明けのBEATです。
とても、印象的であったから。
タイトルと内容にマッチしていないのは、承知ですが。
今回の出会いがとても印象的であったから。
このタイトルをつけました。
以前あったことを、ただ羅列しただけの記事。
忘れたくないから、書いただけの記事。
以上。