一番好きな花は桜です。
一番嫌いな花も桜です。
液晶越しに見る景色は、いつも綺麗だけれど。
本質を見ることはできないんだって、心の片隅で気づいてる。
言葉や文字だけなんかでは語れないけれど、それでも遺す。
生きていく中で、色々なことを知り、学び、体験し、後悔し、忘れていきます。
嬉しいことも、悲しいことも。忘れる。
そして、さよならをします。
諦めたことがあります。
要因を環境のせいにしてしまうことも、自分の弱さであり、情けなく、嫌いなところです。
数えきれない、想像もつかないほど莫大な時の流れと永遠。
海から始まった生命。プランクトンから、訳のわからない水性生物への進化を遂げ。
微生物だった私たちも、そこから始まった進化の末、ここまできた。
「進化」として、知識と技術を身につけ、ここまできた。
だから、私は、
いつまで経っても変わらないものはないと、信じていました。
でも、そんなものありませんでした。
だから、この両手で持ち切れるだけの、
なるべく小さな幸せと不幸せをいっぱい集める。
そんな、気持ちです。それで、いいかと思える。いや、そう思う。思いたい。
いつか、泣いてねだって買ってもらった、ヒーローのおもちゃも、
ウルトラマンの人形も、夢中で作って好きな色に塗った模型も、
もう今はない。それはもう、使い物にならないから。
それだけのことかもしれないな。
いつもいっしょにいた人たち。今は仕事も家庭もある。
連絡してみようかな、なんて、驚いてくれるのかな、なんて。
それなりに飽きたんだろうな。
それだけのことかもしれないな。
この目で見えたとしたら、色やカタチを見ることができたならば、
もっとずっと、大切にできただろうか。ずっと近くにいれただろうか。
何を後悔しているのかさえ、明確にもう思い出せない。ただ、すべてが、選択を間違ってしまったのではないかと、考える。
後悔ばっかの人生だけれど、僕なりに歩いて行くんだと。
明日の見えないこれまでだけど。
答えなんて出ないから。
いつか、私たちは土に還るから。
いつか、またねと言えるために。
いつか、家に帰るから。
未来は僕らの手の中になんてない。
いつか、液晶越しではなくて、
この目で、生きててよかったと思える日が来ると、
それだけを信じていたい。
大嫌いで大好きな桜が咲く、この時期がどうしようもなく、心落ち着かない。
不安で焦燥、苛立ちと鬱々とした、想い。
何かを叫びたくなる。
何かを伝えたくなる。
何か、大切なことを、大切だった人に、大切にしたかった人に、伝えたかった。
もうそれも叶わない。使い物にならない。
それでも、生きていることだけ、実感する。
明日も僕は、朽ちていく。
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