そしてできれば 何より君に先ず
伝えたい事がある
嫌がられる程何もかも
さらけてしまえたらいい
フジファブリック「眠れぬ夜」
特に何か
あったわけじゃありません
昨日
昨日。
少し晩酌をして。
アニメを少し見たのち。
床に就いた。
何かを考えてしまった。
死について、少し考えた。
私の祖母。
とても元気である。
とても、元気である。のだが。
御年八十歳。
普通に考えて。
考えたくないですが。
普通に考えて。
今日ではないが、いつか。
お別れする日が来るのだろう、と。
見送ることになるだろう、と。
そんなことが、ふと頭をよぎった。
怖さが満ちた。
普遍的で不変的
望んで産まれてきたわけではないが。
産まれた以上、始まりである。
そして、始まりがあれば、終わりも存在する。
宇宙も…多分そうだろう。
私たちが観測できる間には、“それ”は起きないと思うが。
反面、人間の“それ”は嫌でも目にする。
否応なしに、立ち会うことになる。
それは今日じゃない。
でも、いつか。
変わらないこと。
唯一。
人間、誰しも変わり行く。
変わりまくる。
変わらないものは、終わりがあることと、黒歴史くらい。
この世の物事は全て普遍的である。
それを悩むのは、とても馬鹿らしい。
わかっている。
それでも、頭をよぎる。
いつか、そのいつかに怯えてしまう。
祖母だけでない。
私が知り合った、あらゆる人間、そしていぬ、どうぶつ、命あるもの皆、マシン、お気に入りのもの。
なにもかも。
お別れは来る。
それは今日じゃない。
でも、いつか。
普遍的で不変的なもの。
仕方がないこと。
仕方がないで、済ませたくないこと。
先に、自分を終わらせたくなる。
リニアに
人生と時間というものは、リニアに流れていく。
真っ直ぐに、一定に。
逆行することなく、ただ真っ直ぐを見据えて。
進んでいく。
止まらない。
光速度不変の原理だとか、相対性理論は置いといて。
結論が、これなのかもしれない。
人間関係も、全てではないが、概ね“それ”である、気がする。
リニアに。
付き合いがある人間とは、きっと最期まで続く。
途切れ、邂逅するのは一部。
だからこそ、再会が嬉しいのだと思う。
再会があるから、概ねそれ、だと思う。
出会いと別れに、折り合いをつける必要がある。
別れ。
それは、きっと今日じゃない。
でも、いつか。
棺の中で眠る祖父を思い出してしまった。
遺体の安置所へ運ぶ際に、あの祖父が、
驚くほど軽かったあの感じを思い出してしまった。
駆けつけた病院で、
あんぐりと口を開けたまま、ピーという機械音の前で
横たわる祖父を思い出してしまった。
身体中、管だらけの状態で、
消毒臭のする部屋を思い出してしまった。
普遍的で不変的なこの世の中の、
とある夜の、眠れぬ日。
私もいつか、朽ちていく。
それでも世界は、何一つ変わりなく
周っていく。
自身は、知る由もない。